あ行

アウトリーチ

海上コンテナ荷扱い用クレーンのカンチレバーフレーム等がオーバーハングした長さをいう。橋型クレーンの場合,海側岸壁レール中心から海側ブーム先端いっぱいにつり荷を寄せた場合の荷の中心までの距離のことである。従来は35mだったが,コンテナ船が大型化したため40mと長いものが多くなってきている。

アクセス(access)

ある目的地に近づく方法。通常,道路,バス,鉄道等交通手段をいう。

揚地変更

荷主からの依頼により、B/Lに記載されている荷渡地と異なった場所で荷渡しを行うことで、揚地変更費用とB/LのFull Setsが必要である。

アジア太平洋経済社会委員会

→ESCAP(Economic and Social Commission for Asia and Pacific)

圧縮記帳

帳簿価格が取得原価から一定の金額を減額して示されるところにその名がある。税法上,国庫補助金,工事負担金,保険差益などにその例を見ることができる。

圧密(あつみつ:consolidation)

土が自重又は上載荷重によって,徐々に圧縮されて,水及び空気を排出する現象。

後船(あとぶね)

着岸バースに,後に着く予定の船。(反)先船

あば(網場:網羽)

港内,特に貯木場における原木等の流出を防止するために,一般に丸木や鋼材などで作られた設備をいい,泊地での原木等の荷役の際にも使われ,また埋立地造成の際に吹送土の散逸を防ぐ土堤のことも「あば」という。

アプリケーション(application)

申請あるいは申請書のことをいう。「岸壁使用願」や「係船浮標使用願」を指すこともあり,船社等が同盟に特別運賃を申請することにも用いられ,用途は広い。

アメリカン・ランドブリッジ

→ALB

アライバル・ノーティス(arrival notice)

着船通知書。船社が荷主あてに本船到着予定日,貨物明細及び運賃を通知する書状。

アレージ(ullege)

タンカーなどでタンクトップから油面までの距離。

アレージ測定

タンカーなど液体を積載する場合,アレージホールから油面までを測定し,積載量を計算すること。

アンローダ(unloader)

ふ頭で,船倉からの荷役及び上屋内又はサイロ内への搬送等に使われるバラ物用荷役機械で,クレーン式,ニューマチック式及び連続荷役式などがある。

イアフ

IAPH(International Association of Ports and Harbors:国際港湾協会)

いかだ運送事業

港湾において木材の運搬にかかわる作業を行うことを認可された業種。木材をいかだに組み,水面を浮遊させて運搬を行う。

一貫元請業

荷主の委託によりFIO貨物の船内荷役,はしけ荷役,沿岸荷役を一貫して行う業種。港湾運送事業法に基づく限定一般港湾運送事業。(FIO)

一般雑貨(general cargo)

→雑貨

一般廃棄物

ごみ,粗大ごみ,汚でい,廃油,動物の死体,その他の汚物,又は不要物などのうち,産業廃棄物(事業活動に伴って生じた廃棄物のうち政令で定めたもの)以外の廃棄物をいう。「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に規定。

入船(いりふね)つなぎ

本船が岸壁・さん橋で,船首(おもて,へさき)を基部に向けて係留すること。(反)出船つなぎ

入出し(いれだし)

本船が入港した同じ日に出港すること。

インゴット(ingot)

地金の塊をいう。横浜港ではアルミ・インゴットの取り扱いが多い。

インセンティブ補助

港湾利用高度化拠点施設緊急整備事業を行う民間事業者に対する補助金。(原則として第3セクター対象)補助率は国,市あわせて5%。

インターモーダル・トランスポート

複合輸送。陸海空などの異なった輸送方法を組み合わせて一貫輸送する方法。

インディペンデント・アクション

独自行動権。同盟単位の運賃,サービス水準とは別に,同盟メンバーが単独でその船会社を利用したときにのみ適用される運賃,サービス水準を設定できる権利。米国海事法(1984年・昭和59年)で,同盟のマーケット・パワーが競争削減に及ぼす影響とのバランスから導入が義務づけられた。

インフラ

インフラストラクチャー(infrastructure)の略。都市や産業の基盤となる施設で,長期にわたって変化の少ないもの。港湾,鉄道,自動車道などがそれにあたる。本来は下部構造,下部組織の意。

インベントリー(inventory)

本来的には財産・在庫品目録あるいは目録づくり,品調べをするという意。コンテナ関係用語では,需給予測に基づいて,コンテナの整備,在庫管理を行い,その円滑・効率的な運用を図ることをいう。インベントリー・コントロールともいう。

インボイス(invoice)

荷主が,発送貨物の品名,種類,価格,発送人,荷受人等を詳細に記入し,荷受人に送付する明細書。

インランド・デポ(inland depot)

内陸におけるコンテナの集配基地。コンテナ船から陸揚げされたコンテナ又は船積みするコンテナの荷詰め,荷出し,混載及び通関を行う機能を持つ。代表的な例として,栃木県の宇都宮インランド・デポがある。

ウィークリー・サービス(weekly service)

毎週1回定期配船を行うサービス形態をいう。

ウェーバー制度(Waiver System)

一部発展途上国などが外航貨物を自国船に留保するために導入している制度。たとえば,韓国では,韓国と海運協定を持たない日本の船舶は,韓国内での貨物の積み取りに制限を受けている。ただし,韓国でのこの制限は1996年には廃止される予定。

ウェイビル

船会社,代理店が発行する貨物の受取証と運送引受条件記載書を兼ねたもの。船舶の高速化により生じていたB/L未着による貨物引き渡しの遅延,B/Lの紛失・盗難等の事故をこれにより解消できる。ただし,B/Lと異なり有価証券ではない。

ウェイポート

途中寄港地。当該定期航路でカバーする両端諸港ではなく,運航の途中に存在する港のこと。ウェイポートサービスとはこうした途中寄港サービスのことをいう。たとえば,欧州航路等のコンテナ船が途中の東南アジアの港に寄港し,日本からのローカル貨物を積み取る事をいう。

ウォーター・フロント(water front)

海・湖・川などに面する水際線をいう。近年,経済機能優先の反省から,水際線を生かした街づくりが各方面で提唱され,その再開発が注目されつつあり,横浜港港湾計画でも大幅に開発計画が盛り込まれている。

浮さん橋

→ポンツーン

海クラ

横浜海事記者倶楽部の略称。横浜税関内に事務室があり,現在12社が加盟。港湾局では局長会見の他,随時会見,資料配布等を行っている。(所管:局総務課)

埋立法線

埋立が始まる直近の春分と秋分の満潮位を比較し,高い方の潮位をH.W.L.としたときのH.W.L.が埋立護岸等とつくる汀線。護岸の構造によって若干の変化がある。

上肩(うわかた)

人力だけで運搬する作業。又はその作業員のこと。荷物を肩に担ぎ,高く荷を積み上げることから,この名称がついた。

上屋(うわや:transit shed)

一般的には,貨物の荷さばきのため,岸壁に近接して建てた建物をいい,長期にわたって保管する倉庫と区別している。ただし,関税法上の上屋は,必ずしも建物を意味しない。横浜市の管理する公共上屋は,平成6年12月現在51棟を数える。

上屋戸前受制度(うわやとまえうけせいど:TRS:Terminal Receiving System)

昭和45年,北米定期船同盟などで決議され,横浜,神戸で導入される制度。上屋の戸前で受け取った一般雑貨を,その後,船積みまで船社の費用と責任において引き受ける制度。同制度は,船社責任の範囲を拡大したものであるが,コンテナリゼーションの進展などにより,現在利用度は低い。

運航委託

船舶の運航に伴う収支損益の一切は船主自身の計算で行うが,ただ船腹を運航能力のあるオペレーターに委託することをいう。この場合船主は集荷・配船などを委託する報酬としてオペレーターに約定の手数料を支払う。

運航経費

航海費ともいう。船費とともに,船会社の営業費用を構成する要素。船舶の運航により,運賃収入を得るため,直接必要とする経費であり,燃料費,港費・荷役費,航海消耗品費などがこれにあたる。

運航損益

船会社の粗利益ともいうべきものであり,運賃収入から運航経費を差し引いたもの。

運賃同盟

→海運同盟

運賃プール

複数の船社が,特定航路において収納する運賃を拠出してプールし,それを定められた比率に基づき配分すること。

運賃負担力

商品の生産コスト(商品価値)との比較における運賃の上乗せ可能コスト。運賃水準が設定されるときの目安になる。

運輸政策審議会

運輸大臣の諮問機関で,物流,旅客を含めて総合的に運輸事業の政策を計画・策定する。

液体貨物(liquid cargo)

液状の内品を缶,タル,瓶などの容器に収めた貨物。油,酒,薬品,食料品が多い。容器の破損によりリッケージ(漏れ)の恐れがあるので,クリーンカーゴとは区別して積み付けられる。

エコポート

エコポートモデル事業の略称。自然環境や生態系と調和のとれた環境共存型港湾(エコロジカルポート)の実現を目指すもの。平成6年に事業が創設され,横浜港,堺泉北港,博多港がモデル港に指定。横浜港はモデル事業の認定も受けている。

エゼント

→海運代理店業

越波(えっぱ:wave overtopping)

波の作用によって,水が構造物の天端を超える現象で,単にovertoppingともいう。

N値(えぬち)

→標準貫入試験

M0船(えむぜろせん)

通常の航海において機関無人の状態で航行できる船舶であって,日本海事協会に「M0船」として登録された船。

エプロン(apron)

本船と直背後上屋又は荷さばき地との間で,貨物を円滑に移動させる場。幅員は岸壁前面端から上屋庫口前面又は荷さばき地までの距離。

エルニーニョ

スペイン語で「神の子」の意味。東部太平洋の海面水温が3~4℃も上昇する現象。異常気象,台風などの影響に深く結びついている。

(財)沿岸開発技術研究センター

→CDIT(Coastal Development Institute of Technology)

沿岸荷役事業(longshoring)

船舶・はしけにより運送された貨物の,上屋その他の荷さばき場への搬入,船舶・はしけにより運送されるべき貨物の,荷さばき場からの搬出,これらの貨物の荷さばき保管又は貨物の船舶・はしけからの取り卸し,もしくは船舶・はしけへの積み込みを行う事業。昭和59年の港湾運送法の改正により船内荷役事業と統合,「港湾荷役事業」となった。

円弧すべり(circular rapture,circular failure)

円形すべりともいわれ,基礎地盤の安定計算において想定するすべり形態の一つ。

延納方式

輸入関税や消費税の支払いを延長してもらうことで、税関長の許可により、輸入許可後3ヶ月以内に納付すればよい。"個別延納方式"と"包括延納方式"とがある。

OD調査(Origin and Destination Survey)

起終点調査。自動車交通の出発地,目的地に加えて,輸送目的内容等,自動車の流動実態の把握を目的とした調査。

オーバーパナマックス

パナマ運河を通過することのできる船の最大船型(全長・幅・吃水)を超えた船型のこと。コンテナ船ではAPLのC-10型が最初。ポストパナマックスとも呼ばれる。(参)パナマックス

OBO船(Ore/Bulk/Oil Carrier)

鉱石,ばら荷,油兼用船。

オープン・トップ・コンテナ(open top container)

屋根が取り外し可能のキャンバスで覆われていて,キャンバスが取り外し自由にできているコンテナ。(参)フラット・ラック・コンテナ

オールナイト(all night)

深夜荷役。港湾荷役は,昼間荷役と夜間荷役に区分され,昼をDay Shift,夜はNight Shiftと称される。このNight Shift(通常午後7時から翌朝午前4時)のうち午後9時30分以降をオールナイトという。(参)ハーフナイト

オイルフェンス(oil fence)

水面に流出した油が拡散するのを防ぐための囲い。

沖荷役

港内で,さん橋及び係船岸壁等に接岸せず,ブイ・泊地等に停・係船する本船にはしけから貨物の積み込みをし,又,はしけに貨物を卸すことをいう。

沖待ち

船舶が船混みその他の理由で入港できず港外に停泊し入港の機会を待っている状態。

乙仲(おつなか)

海運貨物取扱業者(海貨業者)のこと。戦前,傭船ブローカーである甲種海運仲介業を「甲仲」と略称したのに対して,個品運送の仲介業である乙種海運仲介業を「乙仲」と略称したが,これが今日でも海貨業者の俗称として使用されている。(参)海貨業

オフ・ドック(off dock)

船社が荷主サービスや他船社との競合上,コンテナ貨物の揚げ積み港以外にCY又はCFSを設け,そこを荷主との間のコンテナ受け渡し地に指定する場合がある。このCY又はCFSを,本船着岸岸壁から離れたところにあるものとして,オフ・ドックCY,CFSと呼んでいる。(反)オン・ドック

面舵(おもかじ:starboad)

船の前進中,船首を右へ向ける舵のとり方。(反)取舵

オン・シャーシ(on chassis)

シャーシにコンテナを積載した状態をいう。また,コンテナ・ターミナル等において,このオン・シャーシの状態で荷役,保管を行うことも指す。

オン・ドック(on dock)

CY又はCFSの立地,性格を示すのに使われる用語。CY又はCFSは,コンテナ・ターミナルの一部として,本船着岸岸壁に接したところにあるのが通例で,この意味で,これらをオン・ドックのCY又はCFSと呼んでいる。(反)オフ・ドック